ブログを積み重ねて卒論にしたいチャレンジ①

ブログ書きながらゆるふわ卒論を完成させたいチャレンジ1日目。
雑にとにかく文章を書いていきます。

卒論テーマ

京都はITベンチャーの集積地となりうるか

研究動機

 パソコンとスキルさえあれば、「いつでも・どこでも」働ける世の中なのに、なぜIT企業は東京に密集しているのか。

 私はITベンチャーで就職活動をしていた。「コアタイムなしのフレックスタイム制」「テレワーク制度」「副業可」といった自由な働き方が認められている一方、勤務地は東京ばかりであった。いつでも・どこでも働けるのに、なぜ勤務地は東京だけなのか。いつでも・どこでも働けるならば地方で働くという選択肢がある方が、地方の就職の選択肢が増えるなど、健全ではないか。

 そこで関西の小都市である京都を選び、京都はITベンチャーの集積地になりうるのかを考えてみる。

日本の情報通信業の労働者の現状について

 平成27年国勢調査の就業状態等基本集計結果より、ITベンチャーの多くが属する情報通信業に就業している人のが1都3県に集中している。以下のグラフは都道府県別就業者数の割合を全産業の総数と情報通信業で比較したものであり、情報通信業の首都圏集中が異常であることが読み取れる。

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 (ちなみにこのような傾向は出版など知的集約産業で多く見られます)

クリエイティブ・クラスについて

 なぜ、情報通信業労働者は東京に集中するのか。この先、フロリダのクリエイティブ・クラスという考え方を元に議論を進める。

 フロリダの主張は、「人はだれしもクリエイティブである」。人はクリエイティビティの基礎をなす源であり、それは経済・社会の地理的条件や、コミュニティの本質などと広く関係している。私たちが直面している最も重要なテーマは、すべての人々がもつクリエイティブなエネルギーや才能、潜在的な能力を開花させ、一人ひとりの人間のクリエイティビティを認め、育成する社会を構築することである。

 現在、クリエイティビティは競争優位の決定的な源泉となっており、ほぼすべての分野で長期的に見て勝者となるのは、何かを作り出せる、作り続けられる人たちである。このような流れの中で台頭した新しい階層が「クリエイティブ・クラス」である。

 クリエイティブ・クラスはスーパー・クリエイティブ・コアとクリエイティブ・プロフェッショナルの2つに分けられる。クリエイティブ・クラスの中核である「スーパー・クリエイティブ・コア」を、科学、エンジニアリング、建築、デザイン、教育、芸術、音楽、娯楽に関わる人々と定義している。こうした人々の経済機能は新しい発想、新しい技術、新しい作品を作り上げることである。その核の周りに「クリエイティブ・プロフェッショナル」という、ビジネス、金融、法律、医療とそれらの関連分野のクリエイティブな職業人の集団がある。複雑な問題解決に当たるが、そのために相当量の独自の判断や、高等教育、あるいは人的資本が必要となる。

 クリエイティブ・クラスの他に、ワークング・クラスとサービス・クラスがある。クリエイティブ・クラスと他をわける重要な違いは、報酬を何から得ているかということである。ワークング・クラスやサービス・クラスは決まりきった仕事や肉体労働で対価を得るが、クリエイティブ・クラスは知的および社会的スキルを駆使する頭脳労働で報酬を得ている。

 クリエイティブ・クラスの規範は従来の社会のそれとは異なっている。大規模な産業や組織を中心とした前の時代の特徴であった同質性や調和、適応能力よりも、個性や自己表現、異質なものへの寛容さが重視される。クリエイティブ・クラスは比較的移動を苦にしないため、他の階層に比べると都市や大都市圏に集まりやすい。これらの地域は3つのTーー技術(technology)、才能(talent)、寛容性(tolerance)ーーを核とする新しい経済発展モデル都市として繁栄 している。この3つのTすべてにおいて抜きん出ている大都市は、大きな成功と繁栄を誇っている。

ジェーン・ジェイコブス的外部性について

 ルーカスは、才能の集積から生じる相乗効果が経済成長の決定因子であることを確認した。豊富な人的資本がもたらす生産性向上がなければ、都市は経済的に機能しなくなると主張し、これを「ジェーン・ジェイコブス的外部性」と呼んだ。労働、資本、技術知識はいずれも必要不可欠だが、人々の才能やアイデア、エネルギーを現場で結びつけることができなければ、大きな成果は生まれないとも述べている。

参考文献

新 クリエイティブ資本論---才能が経済と都市の主役となる

新 クリエイティブ資本論---才能が経済と都市の主役となる

次回予告

 ITベンチャーが増えるためには、何かを作り出せる人=クリエイティブ・クラスが集まると良さそうなので、以下2点を調べてみる。

  • そもそも京都にクリエイティブ・クラスはどれくらいいるのか。アメリカ主要都市と比較。
  • 3つのTに関する指標についてまとめ、それに則って京都を評価する。

(提出前の卒論ってインターネットに公開していいのか謎)